言語聴覚士の読書ノート

言語、脳、失語症を考える

短時間でも継続的なリハビリが慢性失語症に効果

今日は発症後一年以上経過した失語症患者への言語リハビリの効果を、一回の時間と継続期間の視点から検討した論文をご紹介します。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29273692/?i=21&from=aphasia

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目的

これまで、慢性期失語症のリハビリの効果のエビデンスを示す研究はあった。ここではさらに、最適な1日のリハビリ時間とリハビリ期間に関して調べた。

 

方法

脳卒中発症後一年以上経過した失語症患者を無作為に分け、一方には1日4時間、他方は1日2時間の言語療法を行った。両群とも、事前の待機期間の後、2回の訓練フェーズを設けた。

 

結果

各群15人合計30人から結果を得た。失語症検査の結果では、訓練後は両群とも有意に成績が上がった。一方行動コミュニケーション検査では、待機期間と第1フェーズ後では同様の結果が出たが、第2フェーズ後は1日2時間リハビリ群だけが得点が上がった。

 

結論

以上の結果から、4週間の期間の中では、1日あたりのリハビリ時間を2時間以上に増やすよりも、リハビリの期間を増やす方が慢性期失語症が回復に効果があることが明らかになった。

 

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発症後時間がたっていても、1日少しづつでも、言語リハビリを継続すると、失語症改善に効果があるということのようですね。